― 透け感は、ただの露出ではなく「静かな主張」へ ―
透けるという行為は、常にファッションの中でセンシュアルな象徴として扱われてきました。しかし、2025年のシースルーは一味違います。それは官能ではなく、「静けさ」と「知性」をまとうもの。オーガンジーやチュールといった軽やかな素材は、あえて中を見せるのではなく、“余白”をデザインするために使われています。そこには、語りすぎないことの強さがあります。
デジタルが加速し、すべてが可視化される今だからこそ、「見えそうで見えない」曖昧さは新しい美しさとして成立します。インナーとのコントラスト、重ねるレイヤーによる光の変化、動くたびに生まれる陰影──それらが“纏うガラス”のように、着る人の感情まで映し出してくれる。透明は、強さ。目立たなくても、惹きつける。
